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2016年10月28日
高齢者のうつ病は見落とされることが多いようです
スウェーデンに住む60歳以上で認知症ではない高齢者3000人以上を対象にうつ病の罹患率が調査されました。うつ病の症状は全体の5.9%にみられ、そのうち抗うつ薬の治療あるいは心理療法を受けていたのは3分の1にも至らず、約半数は抗不安薬や睡眠薬が処方されていました。抑うつ症状を自覚している人はうつ病治療を受けている傾向があり、抑うつ症状があるにもかかわらず不眠症を訴える人はうつ病治療を受けていない傾向がありました。医療の進んだ先進国の都市部でさえ高齢者のうつ病は見落とされ治療されていないことが示唆されています。さらにうつ病の症状のある人の約半数に対して適切な治療が行われていないことが明らかになりました。この研究結果は、American Journal of Geriatric Psychiatry誌に発表されています。
(2016年8月)