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2017年12月05日
青魚とうつ病リスクとの関連性-日本での研究
欧米諸国では魚、特に青魚に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)、ドコサペンタエン酸(DPA)などのn-3系脂肪酸とうつ病の関連を調べる研究が多く行われています。そこで国立がん研究センターのグループは、日本のある地域に在住の1,181人を対象に、魚介類およびn-3系脂肪酸摂取と精神科医により診断されたうつ病との関連を調べました。その結果、1日に魚介類を57g食べるグループと比較して、1日に111g食べるグループでうつ病リスクの低下がみられ、n-3系脂肪酸の摂取量とうつ病リスクの低下との関連も示されました。しかし、多くとればとるほどリスクが下がるわけではなく、ある量でリスクが下がり、それ以上では影響がみられなくなることが示されました。本研究では中年期の魚介類・n-3系脂肪酸摂取が精神科医による高齢期のうつ病診断と関連しており、食事と栄養がうつ病の高い有病率における重要な要因であることが、Translational Psychiatry誌で報告されました。
(2017年9月)