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2019年07月08日

ポジティブな記憶を思い出すと抑うつ気分が軽快するかもしれません

日常生活に支障をきたす原因のなかでも主要なのがうつ病です。年少の頃にストレスに遭遇するとうつ病発症リスクが高くなり、その後、成長した精神系のシステムがストレスに対して敏感になると言われています。そこで、英国の研究者らは、年少の頃のストレスによりうつ病発症リスクが高い青少年 427例(14歳)を対象に、ポジティブな記憶を思い出すことでうつ病になりやすい傾向に変化がみられるかどうかを調査しました。その結果、ポジティブな記憶を思い出すことで、ストレスに応じて分泌されるコルチゾールが減少し、気分が沈んでいるときに自身に対して抱いた否定的な感情が軽減しました。これは、ポジティブな経験を思い出すことが回復力となり、年少の頃にストレスを受けた青少年のうつ病になりやすい傾向を低減するかもしれないことを示しています。この研究結果は2019年のNature Human Behaviour誌で報告されました。

(Askelund AD et al. Nat Hum Behav. 2019 Mar;3(3):265-273.)

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