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2018年05月14日

てんかんの研究が米国で進められています

脳内の記憶を司るとされる海馬に存在する苔状細胞の欠損が、側頭葉てんかんによるけいれん発作の一因かもしれません。てんかんにおける苔状細胞の作用は長年の研究課題でしたが、米国で実施された本研究によって大きな影響をもつことが明らかになりました。苔状細胞は、欠損すると側頭葉てんかんに関係しますがそのメカニズムは不明です。てんかんのマウスの脳波上で焦点発作を認めたときに苔状細胞を加えるとけいれん発作に至らず、苔状細胞を除くとけいれん発作に至る傾向がみられました。これらのマウスはほとんどの苔状細胞が欠損していましたが、わずかに残っていた細胞をうまく使ってけいれん発作を制御することができました。また、てんかんのマウスでは、目的のものを探す空間記憶に障害があり、てんかんでないマウスの苔状細胞を除いた場合も空間記憶に障害がみられました。こうした研究結果から、苔状細胞の欠損はてんかん発作だけでなく空間記憶障害も引き起こすことが示唆されています。苔状細胞の欠損を防ぐか、または活性化させることで治療が可能になるかもしれないと研究者らはScience誌で報告しています。

(2018年2月)

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