トピックス

2018年09月20日

第60回日本老年医学会学術集会で高齢者のてんかんについて講演がありました

第60回日本老年医学会学術集会(6月16日)において、京都大学の研究者が高齢者のてんかんについて講演されました。内容は以下の通りです。
日本では高齢化社会が進み、てんかん患者の年間発病率は、小児で高い状態から小児と高齢者で高い状態へと変化してきました。高齢で発症するてんかんは,ほとんどが病因の明らかな部分てんかんです。病因としては,脳血管障害が最も多く(30~40%),次いで認知症に代表される神経変性疾患や頭部外傷が多くみられますが,病因がはっきりしない患者も約1/3にのぼります。発作前後に健忘が生じたり、まだらに健忘症が出現して、もの忘れ外来を受診する場合があります。主な発作症状として、突然の動作停止、呼びかけへの無反応、凝視および自動症(口をもぐもぐ、舌なめずり、手のまさぐりなど)が挙げられます。症状は若年患者に比べて軽く,診断には詳細な病歴聴取や脳波検査が不可欠です。抗てんかん薬に対する治療反応性が概して高く、少量から始めて漸増します。維持量も、若年者に比べ、少量で発作消失に至ることが多く、併存疾患(内科疾患、認知・精神症状)、他剤との相互作用を判断して薬剤を選択することが望まれます。

(2018年6月)

Q&A暮らしサポート 発作時の対処法 在宅介助のポイント 症状記録表ダウンロード 一般社団体法人日本てんかん学会 公益社団法人日本てんかん協会 全国てんかんセンター協議会 JEPICA