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2019年07月08日
欠神発作の新たな発生機序が明らかに
理化学研究所らの共同研究グループは、てんかんの「欠神発作」を引きおこす神経回路を新たに発見しました。欠神発作はてんかん発作の一つで、突然、動作が止まったり、ボーっとしたり、反応がなくなるという症状の発作です。今回、マウスを使った実験により、大脳皮質から線条体(大脳基底核の一部)への興奮性の神経伝達の低下が欠神発作を引きおこすことが明らかになりました。このことは、大脳皮質―大脳基底核―視床を介する回路が一般的な欠神発作の発症神経回路であることを示唆しています(下図を参照)。本研究成果は、2019年のNature Communications誌で報告されました。
(Miyamoto H, et al. Nat Commun. 2019 Apr 23;10(1):1917.)

図 欠神発作の発症機構(赤矢印の機能低下により黒矢印が駆動され発作がおこる)
出典:理化学研究所